2004年 7月 30日

覆水盆に返らず

投稿者 by vulcan at 00:05 / カテゴリ: 駄文 / 0 コメント / 0 TrackBack

Yahoo辞書より

《周の太公望が斉(せい)に封ぜられたとき、離縁して去った妻が復縁を求めて来たが、盆の水をこぼし、この水をもとにもどせたら求めに応じようと言って復縁を拒絶したという「拾遺記」中の故事から。前漢の朱買臣の話として同様の故事が見られる》

1 一度別れた夫婦の仲はもとどおりにならないことのたとえ。
2 一度したことは、もはや取り返しがつかないことのたとえ。

この諺は好きではありませんが、格言を認めたくないという気持ちが強くて拒絶していたように思います。『覆水盆に返らず』とはなんと無常な響きだろう、これでは救われない、といった考えです。

本日、会社の同僚というか部下が退職することになりました。その人が急速に気落ちしていく姿を見て、常にプレッシャーを掛け続けた自分もその原因の一端を担っていたのだろうと思うと、心が張り裂けそうです。

何とか退職を思いとどまらせることができないか、少なくとも元気を取り戻した状態で判断することができないか、そうしたことばかりを追いかけ、覆水を盆に帰そうとむなしい努力を重ねてきたように思います。

ここ2ヶ月ほど、最後の10日ばかりはそれこそもがくように戦ってました。一人で戦っていたのか、二人で戦っていたのかはよく分かりませんが、とにかく戦っていました。

しかし、日一日と調子が更に落ち、どこまで落ちるのか見当もつかなくなって来たのを見て、もう退職しか選択肢は無い、とにかくそこからやり直すほかはないのだろうと観念しました。そして今日、2週間ぶりに出社した姿を見、退職の手続に入り、引継ぎを行ったのです。

膨大な業務内容をアイコンタクト並にミラクルなスピードで引継ぎを行い、賞賛すべき有能な部下、というよりはパートナーとして立派に成長したことを改めて再確認することができたし、また、ようやく重荷を取り除くことができたといったさばさばしたその人の表情を見て、とてもほっとしたし、なんだかもう大丈夫だという、あいまいではあるが手ごたえのある感触を得ることができました。

そのとき思ったのです。覆水は盆に返らなくてもいいし、返る必要もないのだと。人生色々、色空空色なのだと。

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kodakara.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/71
コメント
コメントする












名前、アドレスを登録しますか?