2005年 3月 25日

きみはほんとうにステキだね

投稿者 by vulcan at 21:30 / カテゴリ: 育児 / 0 コメント / 0 TrackBack

Bianがプレゼントされた数多くの絵本のうち、きみはほんとうにステキだねの面白さはダントツです。プレゼントしてくれた義姉には非常に感謝しています。

粗筋は、暴れん坊で意地悪なティラノサウルスが登場し、スティラコサウルス達をいじめていたところ、生命の危機に直面し、これまでの己の行いを反省と後悔で想起し、すんでのところでエラスモサウルスに助けられ、純朴なエラスモサウルスに惹かれ、彼に嫌われたくないがために嘘もつきながら、しかし行ないも正し、永遠の友情を夢み、突然のエラスモサウルスの危機に無我夢中で助けに飛び出し、聞こえていないエラスモサウルスに自分の正体を明かすというあらすじです。

何度読んでも味のある作品ですが、特にクライマックスは涙なくしては語れません。自分はすっかりティラノサウルスの世界に入り込んでおり、読み聞かせるのが楽しくてしょうがないです。聞いているBianもページをめくると暗誦してくれるまでになりました。

『暴れん坊で意地悪で、ずるくて自分勝手な』というところは、自分もそうだし、Bianもそうだけど、多くの人がオーバーラップする部分ではないでしょうか。

そして、彼が初めて直面した危機に、『助けて』と叫びながらも自分の行状から推し測って誰も助けてはくれないだろうと観念したところ、エラスモサウルスは『だって、助けてっていったろ』と言って助けてくれました。

良いことをした人は助けられる、悪いことばかりしている人は助けられない、という因果関係の存在を人は認めたがるため、悪いことをした人を助けたがらないと思いますが、助けて欲しい人が助けられ、助けてほしくない人は助けられないという、非常に深い真理を一言で表現しているところなど、舌を巻きます。

また、友情を築くためにまず嘘をつくことになるわけですが、しかし嘘をついているだけではなく、行いも正しており、気がつけば嘘が嘘ではなくなっています。

嘘とは何かをあらためて考えさせられます。これまでの自分に当てはまらないことでも、これからの自分がそのとおりであればそれは嘘というべきではないのかもしれません。嘘といってしまうと、実現しないことを認めることになるからです。

そしてなんといってもクライマックスです。自分の正体(つまり過去の行状)を洗いざらい、聞いていないエラスモサウルスに話して聞かせ、永遠の友情の思いを伝え、途中から意識を取り戻したエラスモサウルスが自分の知っているティラノサウルスは本当にステキだという。過去を問わない、過去にとらわれない、今どうなのかで判断する姿勢に惚れ惚れします。

話はその後どうなったのかを告げないで終わります。エラスモサウルスはその後死んでしまったのか、ティラノサウルスの看護のおかげで回復して二人は末永く友情を深めることができたのか、こうした『気になる』部分を残しておくことも非常に印象が強められて、また味が出るわけです。

というわけで、計算されていなさそうで、計算されていそうな、非常に完成度の高い絵本であり、子供のいる人は是非とも何度も読み聞かせてください。

タグ(キーワード):

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kodakara.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/26
コメント
コメントする












名前、アドレスを登録しますか?