2006年 8月 22日

ジェームス・C・アベグレン氏

投稿者 by vulcan at 10:32 / カテゴリ: 存在理由 / 0 コメント / 0 TrackBack
長らくの私の興味は「究極の会社組織とはいかなるものか」ということでした。会社組織が興味の対象だったわけですが、今、それが人生に移りました。

そんなわけで、「究極の会社組織に対するこれまでの考察を一度明文化しておきたい」という欲求を満足させつつ、「今後の人生路を歩む上での指針を固める足がかりとしたい」という思いから、最近、2ヶ月ほど掛けてA4で150枚ほどの論文というか、随筆というか、とにかく思いのたけを書き上げました。

最初の1ヶ月は、体系的な整理は後回しにして、想念として浮かぶことをメモ帳に書きなぐりました。次の1ヶ月はそれらを体系化し、順序を思案し、欠けている点を補いながら、「とりあえず今書きたいことはこれぐらいかな」と思える程度には仕上がりました。

とはいえ、人様にお見せするような代物にはまだまだ程遠く、たたき台の、更にたたき台が書き上がった状態です。そこから先は、自分の力だけでは限界があるため、3人の指導者を決め、また、この段階でも喜んで受け取ってくれるであろう1人を決めました。

3人の指導者とは、父親、銀行員時代の元支店長、現在病気療養中の上場準備顧問の3人です。そして、この段階で差し上げる1人とは祖母であり、指導者3人に対して渡したものから、更に多少なりと完成度を高めたものを進呈しました。

3人の指導者のうち、本日は、上場準備顧問のK氏に端を発した、『ジェームス・C・アベグレン氏』に関する話をしたいと思います。

3人の中で一番最初に相談したK氏に対しては、書きなぐったばかりともいえる、かなり完成度の低い、つまり、読むに耐えない代物を渡したわけですが、K氏は文句一つ言うことなく読み通してくださいました。そして、指摘すべき事項は山ほどあるにもかかわらず、私の気性を慮り、可能性の芽を摘み取らないようにとの配慮の結果、指摘は一つに止め、逆に私の質問を受け付ける形で相談に乗っていただきました。

最後に、「私に紹介してくれる本として、何か無いでしょうか」と質問したところ、その質問を予想していたようで、1枚のメモを手渡してくださりました。会った3日前の7月18日には持参されていたのですが、その日は急遽面会がキャンセルとなってしまい、この日、つまり7月21日は会う予定ではなかったため、本は持参されておらず、メモを頂いたわけです。

「これは自分で捜し求めるべきという見えざる力が働いているのかな」と考えて、翌日の7月22日、近くの図書館に探しに行きました。家の近くの図書館は分館で、蔵書の数に限りもあるので見つからないのもうなずけますが、千葉全館を対象に図書館の検索システムで検索を掛けたにもかかわらず、千葉中央図書館に1冊あるのみでした。これほど出回っていない本だとは予想していませんでしたので、なぜこのように読まれていない本をK氏が薦められたのか、少し不思議に思いました。

K氏には失礼とは思いながらも、とりあえず、購入するだけの価値があるのかどうかを図書館の本で確認しようと思っていた私は、千葉中央図書館から取り寄せの依頼をしました。

7月26日、打瀬図書館から、取り寄せ依頼の『新・日本の経営』が到着した旨の連絡が入りました。同時に、取り置き期間は1週間で、8月2日までに借りに行かないと千葉中央図書館に返却されてしまうことが告げられました。

ここで少し困ったことが生じました。というのは、その週の週末は、金曜日の夜から神戸の妻の実家に帰る予定で、既に先に妻達は実家に帰っており、打瀬図書館は、平日は、朝9時から夕方5時までしか開いておらず、出社前や仕事帰りに立ち寄ることが困難なため、このままだと借りられずに返却されるリスクが出てきたからです。

ところが、いくつかの要因により、その週末、神戸に帰るのは土曜日の昼になることが確定し、無事にジェームス・C・アベグレン氏の『新・日本の経営』を借りることができました。

非常に長い文章で、あまり読まれてこなかったのもうなずけましたが、私は非常に感銘を受けました。「20年後か、30年後、もっと知識を身につけ、物事を正しく見極められる力を身につけた私は、恐らくこういう文章を書いているのだろう」と思いました。K氏は私の文章の調子から、アベグレン氏のこの本を思い起こしたのではないかと思っています。

その後、座右の書とすべく、八重洲ブックセンターに行き、買い求めようとしたのですが、何と驚いたことに在庫がありませんでした。漫画以外なら何でも揃っている、特にビジネス書については日本で一番充実しているはずの八重洲ブックセンターにもかかわらず、在庫が無かったのです。それならネットで発注した方が早いかとも一瞬考えたのですが、なんとなく、八重洲ブックセンターで買いたいと思ったので取り寄せの依頼をしました。

そこで、アベグレン氏について、もっとよく知りたい、著者紹介を見ると日本国籍を取得して東京に住んでいらっしゃるとのことなので、あわよくば会って話を聞きたいと思いました。ところがネットで検索してみても、アプローチの方法が見つかりません。ネットでの検索に関してはそれなりに自信を持っていたので、アプローチ方法が見つからないことに失意しましたが、数日後、再トライしてみましたところ、糸口を見つけました。

その糸口ですが、私の住んでいる幕張ベイタウンは、土地を千葉県企業庁が所有しています。その千葉県企業庁が刊行している『幕張アーバニスト』の第4号(1997年)にアベグレン氏のインタビュー記事があるのを見つけました。10年も前の話ですからつても途絶えてしまっている可能性も高いとは思いましたが、わらにもすがる思いで、ベイタウンの住民であることを告げた後、アベグレン氏を紹介してもらえないかという内容の依頼メールを出しました。

数日後、何と、千葉県企業庁から返信メールが到着しました。私のメールをアベグレン氏に転送してくれたというのです。業務と関係のなさそうな私の依頼を好意で返してくださった千葉県企業庁には頭の下がる思いです。

そのメールによると、アベグレン氏は、この季節、別荘で長期の休暇をとる習慣があるので返信は遅くなるだろうとの記載がありました。そこでちょっとドキッとしました。私がお盆休み(8/13-8/19)を過ごした別荘地に、もしかしたらアベグレン氏の別荘もあるのではないかと直感したからです。

アベグレン氏の別荘がどこにあるかは記載されていませんでしたので真相は不明ですが、取り急ぎ、千葉県企業庁にお礼のメールを書き、アベグレン氏からの返信を待つことにしました。

お礼のメールを書いた翌日、つまり昨日、八重洲ブックセンターから取り寄せ依頼の本が到着している旨の連絡が来た日でもあるのですが、会社でN氏とお盆休みの話題を話していましたところ、私の行っていた別荘地にN氏の知り合いのアメリカ人が2人、以前所有していたという話を聞き、少し驚きました。その2人はアベグレン氏ではありませんでしたが、上のような出来事があったので、話題に出してみました。

N氏は最初、『アベグレン氏』にも『新・日本の経営』にもピンと来ていませんでしたが、やにわに心当たりを思い出され、「3ヶ月ほど前、30年来の友人のW.P.氏(アメリカ人)から、読めと渡された本がそんなタイトルだったような気がする」と言いました。分厚い本で、ビジネス書はあまり読まないらしいN氏は読まずにほったらかしにしていたらしく、そのため、すぐさまピンとは来なかったそうです(笑)

W.P.氏は日本に50年ぐらい住んでいたらしく、同じような境遇のアベグレン氏とは友人だそうです。アベグレン氏から進呈されたと思われる『新・日本の経営』について、英語の本を読んだので、同時にもらった日本語の方をN氏に差し上げたとのことでした。私が入手にこれほど苦労した本が、いとも簡単にN氏が所有していること、しかもN氏がそれを読んでいないことに唖然としてしまいましたが、不思議な縁への驚きの方がもっと大きかったです。

翌日、つまり、本日ですが、N氏は自宅からその本を持ってきてくれ、自分は読まないからくれると言いました。まだ買いに行ってはいないものの取り寄せ依頼の本が八重洲ブックセンターに到着しているため、タイミングの悪さに辟易したのもつかの間、少し雰囲気が違います。よく見てみると、N氏がW.P.氏からもらったという本は、アベグレン氏が1958年、つまり、今から50年近く前に書いた最初の著書『日本の経営』の復刻版だったのです。『新・日本の経営』を出版したのを機会に『日本の経営』の復刻版も出したのでしょう。

こちらの本の方は、まだ買う意思を固めていませんでしたが、アベグレン氏と会うための準備としては読まずには置けない本なわけですから、驚くほどの不思議な縁に、私は小躍りしている次第です。

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