2006年 8月 08日

日本人の大衆心理

投稿者 by vulcan at 10:37 / カテゴリ: / 11 コメント / 0 TrackBack

昨日、亀田興毅について触れたので、少し脱線を楽しもうと思います。

亀田興毅は、おそらく、まじめにボクシングをやってきた、才能に恵まれた19歳の少年なのでしょう。彼こそが『向上心』の塊のような人物であると推測します。そして、彼は父親の無念(どんな無念かは想像できませんが)を一身に背負って、無念を晴らすことを原動力として、そして、彼自身の認められたい(力を誇示したい)という欲求を駆動力として、今日まで上りつめてきたものと思われます。

しかし、動機が不純であったことが、悲惨な結果をもたらしました。不純な動機のために、目が曇ってしまい、メディア(特にTBS)やその他の力を持っている者たちが、彼に群がり、彼を持ち上げたとき、「何かおかしい」と感じることができなかったのだろうと思います。

とはいえ、亀田興毅にできたことは非常に限られており、突き進む以外の選択肢はほとんど許されていなかったとも思います。19歳の若さ、一家族で世間に立ち向かうにはあまりにも弱すぎたことにより、虚勢を張る以外の選択肢が拒まれ、力の魅力に屈したのでしょう。そうした例は歴史を振り返れば山ほどあるでしょうし、ホリエモンも同じことです。

敬語に関する彼の考えも、虚勢の現われと見ます。私も長らくそうした考えを持っていましたから。そして、おそらく多くの人は、彼と似たり寄ったりの考えを持っているか、持っていた時期があるのではないでしょうか。虚勢を張らざるを得ない時期というものがあると私は思います。

さて、彼は今後どう歩んでいくのでしょうか。再起不能なほど世間を(あるいは世界を)敵に回してしまった、それも一夜にして。これほどの苦難を亀田興毅は乗り越えていけるのでしょうか。確実に言えることは、TBSに責任を転嫁している限り、彼は乗り越えられないでしょう。

しかし、大いなる失敗は、大いなる成功の基です。彼が完全に自分と向き合うことができれば、もともと才能に恵まれているわけですから、飛躍も不可能ではありません。彼が、本物の大志を抱いたとき、道は開かれると思います。

前置きが長くなりましたが、それにつけても、『日本人の大衆心理』の極端さです。小泉純一郎、ホリエモン、そして亀田興毅。持ち上げるだけ持ち上げておいて落とす。今回の亀田興毅の試合についてのヤフーのアンケート(ランダエタの勝ちに20万人以上の94%の人が投票)にも、異常な極端性が表れていると思います。

この極端性は悪なのでしょうか、善なのでしょうか。「善悪の対象ではない」というのが答えのような気がしますが、それでは答えになっていないので、私見を述べますと、おそらく善ではないかと思います。但し、それ相応の痛みを伴う善ですが。

日本人のこうした極端に走りやすい文化は、極論すると世界を滅亡に導く可能性を孕みますが、おそらくうまく進むと思います。これまでを振り返れば、我々日本人は、常に極端に走り、極端に走った場合の世界を見届けたのち、完全にハンドルを逆に切り、反対の極端のありようを見極め、そののちに中道をすすむ、というパターンを繰り返してきました。

遅々とした、まだるっこしいやり方ですが、歴史に学ぶことを前提としたこうしたやり方は確実な方法です。今回の亀田興毅事件は、日本人に『恥の文化』を思い起こさせる契機となったことと思います。戦後長らくの間、日本人は『恥』というものを忘れてしまったようなところがありましたし、特に昨今、そうした感性を捨て去ったかのように見受けられたわけですが、今回の事件によって、完全に取り戻しました。

亀田興毅にとっては、迷惑千万な話ですが、『不純な動機のもたらした結果』であり、『今後の飛躍の糧』であると受け止めて、再度立ち上がっていってもらいたいと思います。

私が亀田興毅と同じ年頃(正確には更に5年後ですが)、次の言葉を知りました。

『いずこであれ、種子の落ちたるところにて、芽を出し、大樹となれ』

20代を、大樹となることを夢見て、ひたすら走り続ける支えとなった言葉です。私の動機も不純なものでしたから、亀田興毅ほどではないにせよ、挫折が待ち受けていました。しかし、動機がどうあれ、若い時分はひたすら突き進むことも大切なことです。歳を重ね、それ相応の分別がついてくると、種子の落ちるところの選択(つまり動機)にも責任を持つことが求められますので、やや他力本願なこの言葉が身の丈に合わなくなってきますが、今も昔も、20代にそこまでの責任を追求するのは酷でしょう。ましてや、彼はまだ19歳です。犯罪を犯したわけでもないのに、動機が不純だったというだけで、これほどまでのバッシングにあうというのは、同情の念を禁じえません。

とはいえ、今回の事件は必然です。日本人の文化が生み出した、日本人らしい解決策としての事件であり、我々はこの事件を通して多くを学んだことでしょう。願わくば、事件の渦中となった亀田興毅が、この必然を理解し、己の糧とし、その過程において、真の大志に巡り会わんことを。

(追記)

と、熱く語ってみましたが、私が語るまでもなく、おそらく亀田興毅はこれからどうすべきかを感じているでしょう。後は実践に移すだけかもしれません。また、大衆の方も、「何がどうしてどうなったのか、そして、その帰結としての教訓が何か」という本質的なところを感じているはずですので、私がとやかく言う必要も無いのかもしれません。

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コメント


父親のためにボクシングすることは不純な動機なのですか?
じゃあタイガーウッズもそうなんですか…。
というか、親想いのすべてのアスリートが不純な動機?
だって、親想いの有無に関わらず、そのスポースが好きではないアスリートは少ないと思いますし、すくなくとも亀田はボクシング好きなように見受けられますが。
私の目が曇ってるのか?
すみません、ちょっとご意見に驚いたので見ず知らずの方に書き込みしてしまいました。

投稿者:     at 2006年08月15日 11:18

コメントをありがとうございます。

言葉の使い方が悪かったかもしれません。

父親のためにボクシングをすることが、悪いことであるはずはありません。
認められるためにボクシングをすることも、悪いことではないと思います。

ただ、私が思うに、プロテストに合格するぐらいまでならそれで十分だと
しても、その上を目指して、日本を制したり、世界を取るには動機として
十分ではなく、そういう意味で『不純な動機』という言葉を用いました。

投稿者:  Vulcan   at 2006年08月21日 02:19

それから、『父親のために』というのも濃淡があると思います。

例えば、亀田興毅の父親が元ボクサーで、世界戦を目前にして不慮の事故で
夢半ばで敗れたとしたら、『父親のために世界を取る』ことは、動機として
十分かと思います。

但し、この場合、おそらく、父親は、世界を取るにふさわしいだけの動機を
持ち合わせていたことでしょうから、タイトルは息子が取ったにせよ、動機という
点では、父親の方が格上と思われます。

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