2006年 9月 27日

死生観

投稿者 by vulcan at 01:00 / カテゴリ: 存在理由 / 4 コメント / 2 TrackBack

まだ私は死生観というものが確立されている段階にはなく、道元の『正法眼蔵』という難解な古典の解説書『道元断章-『正法眼蔵』と現代』(中野孝次)を読みながら、死生観について哲学している今日この頃です。

私は、『野良里蔵狸 -norakura-』の記事が、毎度毎度何かを考えさせられるきっかけになるので気に入っているのですが、今回の『さくらちゃんを救う会に募金は必要か?』も、ちょうど死生観について哲学していたところでしたので、興味を持って読みました。

記事によると、NHKチーフ・プロデューサーとNHKディレクターの夫婦が、一人娘のさくらちゃん(4歳)の心臓移植をするために、1億3600万円の募金を集めようとしているそうで、現在1900万円ほど集まっているようですが、夫婦の年収が4000万円に達し、高級外車2台、庭付き一戸建、その他に不動産資産が7億円は下らず、それだけ金があるなら、ちまちま募金などせずに、今すぐ自宅を売るか、自宅を担保にNHK共済からお金を借りて渡米しろ、という『2ちゃんねる』での論調があるようです。

ここで考えさせられるのが、心臓移植に関する是非です。移植するということは、同年代の子供の心臓を移すということであり、当たり前のことですが、ドナーの死を意味するわけです。

中国では死刑囚をドナーにして、臓器が売買されているようですが、そのほかにも貧しい家庭の子供がドナーになっていると聞きます。

日本でも、ドナーの心臓、腎臓、肝臓、角膜、皮膚などが取り出され、「これが息子の姿か」と目を疑ったおばあさんの記事を読むにつけ、臓器移植に対する抵抗を強く持ちます。

また、「ドナーカードを持った脳障害の患者が現れたら、臓器提供が優先され、ドナーとされた患者の救命治療は尽くされず、早期に打ち切られている」という報告もあり、臓器移植という仕組みがあることで、医療の現場が混乱しているようにも思います。

待ち望まれる「脳死」!密室の中でドナーの救命治療はつくされたのか!
脳死臓器移植(第10、11例目)救命治療は闇の中--ドナーは見殺しに!

『心臓外科医のひとりごと』というブログを読むと、ctsurgeon氏は立派な心臓外科医のようですが、「執刀経験を多く持つために、医療現場が手術に飢えている」実態が垣間見れ、こうした状況では、正しい倫理観をもって臓器移植が行なわれているのかどうか、疑問を感じてしまいます。

そんなわけで、臓器移植の是非については、私は『あんなこと、こんなこと。どんなこと?』と同じく、「移植は反対、プラスチックや再生技術でまかなえる範囲に制限する」という立場です。しかし、それで最後まで信念を貫き通せるかどうかは、死生観をどこまで持てるかにかかっており、しっかり考えて行きたいと思います。

なお、今回の調査の一環で出会った『あんなこと、こんなこと。どんなこと?』も良質なサイトでしたが、そこから先にあった『5号館のつぶやき』というサイトは専門家による非常に見識の高いサイトのようで、甲乙付けがたいと感じました。そんななかで、『移植臓器の売買はどうしていけないのか』は、理解を深める助けとなりました。

【2006/10/7追記】

上田家の財政状況について、ご両親からの報告がアップされていたのを知りましたので、ご紹介しておきます。

両親からのお礼とご報告

募金をすることが適切かどうかは私には判断できません。他人の力(お金・臓器)にすがるということは、自尊心を含めていろいろな面でマイナスに働く可能性があり、相応の覚悟をしておかなければならないことだと思います。覚悟が低ければマイナス要素が大きすぎますし、覚悟が高ければマイナス要素はたいしたことではないでしょう。であるならば、募金をすることが適切かどうかを判断できる人というのは、本人だけかもしれません。

死ぬ死ぬ詐欺疑惑まとめサイト(非常用)


一次情報と二次情報(きっこの日記)

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題名 さくらちゃんを救う会に募金は必要か?
概要   心臓移植:さくらちゃん「救う会」が募金活動 目標1億3600万円−−三鷹/東京【Yahoo!/毎日】9/22   ※毎日新聞記事はこちら。産経でも報...
ウェブログ: 野良里蔵狸 -norakura-
時刻: 2006年09月27日 11:28
題名 ▼ 臓器移植の実態
概要 昨今のマスコミを賑わせている臓器移植問題だが こうした手術が20件以上行われていたことが 宇和島徳洲会病院の調査で明らかになった。 その多くは愛媛や岡山な...
ウェブログ: TOEIC ハイスコアラーの英語
時刻: 2006年11月10日 11:11
コメント

はじめまして、野良里蔵狸 -norakura-の管理人 tanukurと申します。
うちのブログを気に入って頂き、誠に恐縮です。

臓器移植について、引用記事は大変参考になりました。
ありがとうございました。

投稿者:  tanukur   at 2006年09月27日 11:25

TB&コメント誠にありがとうございます。お役に立てたようでとてもうれしく思います。

お忙しい中、 tanukur様のような綿密な調査は大変な労力だと思っております。
野良里蔵狸 -norakura-の更新頻度を落とされてから半年が経過しましたが、
それだけに、一つ一つの記事が待望の記事となっております。
今後のご活躍をお祈り申し上げます。

投稿者:  Vulcan   at 2006年09月27日 23:56

 トラックバックありがとうございました。もう書いてからだいぶ時間が経つのですが、問題はなにも解決していないことがわかります。その一方ではES細胞などを使った再生医療などの研究も進み、そちらのほうでもまた新たな倫理問題が起こっているというのが現実だと思います。こうした問題には「正解」などというものはないのだと思いますが、普段に議論と思考を続けていきたいと思います。
 これからもよろしくお願いします。

投稿者:  5号館のつぶやき   at 2006年09月28日 01:02

stochinai様、コメントをお寄せいただきましてありがとうございます。

「5号館のつぶやき」の当該記事のコメントを見て強く感じたのは、
こうした問題は、めまぐるしく論点が移り変わり、スパイラルに
出口が見えなくなるものだな、ということでした。つまり、対処次第で
即炎上ということです。炎上は怖いですが、炎上を怖がっていては
何も書けず、視野を広げ正論を見極める、信念を信じる、といったことが
とても求められると思いました。

stochinai様の誠実な対処ぶりを、敬意を持って拝見させていただきました。

投稿者:  Vulcan   at 2006年09月28日 12:19
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