2006年 10月 25日

『あなたが知らなかったギリシャ神話』ミヒャエル・ケールマイアー

投稿者 by vulcan at 22:13 / カテゴリ: / 5 コメント / 0 TrackBack

私のハンドルネームであるVulcanは、Kawasakiのバイクの名前『Vulcan』から付けたものです。このバイクは平成7年の4月に買ったものなので、かれこれ11年以上の付き合いであり、私が『Vulcan』と名乗りだしたのが、平成10年か、11年ごろからだったと思いますので、こちらも7、8年になります。

これぐらいの長さになってくると、ハンドルネームといえども名前に性格が付いてくるもので、そうなってくると、名前の由来も気になります。バイクの名前ではありますが、ギリシャ神話に出てくる火の神であることも当然念頭に置いた上で選択したわけで、一度神話についてじっくり理解したいものだと思っていました。

なぜ、私がハンドルネームを必要としたのかというと、ネットワークゲームをし始めたからです。その後、ホームページを作りましたのでそこでもハンドルネームは必要でしたが、一番最初はディアブロというネットワークRPGでの要請でした。

私は、ネットワークゲームはディアブロとAge of Empiresというウォー・シミュレーション・ゲームしかはまりませんでしたが、その代わり、この二つは半端じゃないほどはまりました。そのあたりの詳しい話は別の機会に譲るとして、バーチャルな世界において、特に初期のころ、Vulcanとしての性格形成をゲームを通じて行なっていたわけです。

Age of EmpiresのシリーズでAge of Mithologyというのがありました。これは、プレイヤーがエジプト、ギリシャ、北欧の3文明から一つを選択し、更に主神と従神を選択することで、文明の性格形成が行なわれるという、一風代わったシステムでした。

私は主にエジプト文明を選択し、初期のころは主神をラー、従神をブタハ(古典時代)、セクメト(英雄時代)、オシリス(神話時代)という組み合わせが多かったです。わずかに北欧を使うこともありましたが、ギリシャを使うことは皆無だったといっていいかもしれません。すなわち、「ギリシャというのは常に敵が使う文明である」というのが私にとっての位置づけでした。

ギリシャは主神をゼウス、ポセイドン、ハデスの3神から一人を選択します。従神は、主神の選択によって選択肢に制限がありますが、古典時代においてアテナとヘルメスとアレスから1神、英雄時代においてディオニソスとアポロンとアフロディティから1神、神話時代においてヘラとヘファイストスとアルテミスから1神を選びます。

こうして、各文明は、神々に祈り、神々の恵みを受けて国土を豊かにし、また、神々の力を借りて自国の戦力を強化し、敵を殺戮しながら領土を拡大していくわけです。

しかし、このころは、ヘファイストスがVulcanのギリシャ名であることを知っていませんでした。知っていたら、きっと意地でもギリシャばっかり使っていたと思います。今思えば残念なことです。

また、Age of Mithologyの拡張版では、アトランティス文明が登場し、主神はガイア、ウラノス、クロノスから選択するというものでした。

とまあ、多少脱線気味に、ゲームについて語ってしまいましたが、そんなわけで、ギリシャの神々の名前だけは多少なりとも知っていました。

さて、掲題の『あなたが知らなかったギリシャ神話』に戻ります。初めてギリシャ神話をまともに読んだ感想ですが、相当のカルチャーショックでした。

そもそもの神話の始まりはガイアからだそうです。そして、ガイアからウラノスが生まれましたが、ガイアはウラノスの母であり、愛人だったそうです。そして、ガイアとウラノスの子供の中にクロノスがおり、クロノスはガイアの命によってウラノスを去勢してしまいます。

去勢された性器が海水と混ざり合って泡立ち、その泡から美の女神アフロディティが生れます。一方、クロノスは姉のレアーを妻とし、ヘラ、ハデス、ポセイドンなどが生まれ、最後にゼウスが生れました。

ゼウスはクロノスを負かし、隠居させました。そして、姉のヘラを妻とし、天と地を治めることにしました。兄のハデスは冥界を、ポセイドンは海と川を支配します。

ゼウスは様々な女神を手篭めにしますが、エウローペーについては、レイプしたとする説があるようです。しかし、エウローペーがヨーロッパの語源となっていることから、この説に強力に反対する一派もいます。

・・・とまあ、そんな感じで、また、英雄伝説についても、息子に殺される親の話、逆に息子を殺す親の話、男たちは戦場に行き屠った国の女を我が物とし、留守を守るはずの妻たちは愛人作りに忙しいなどなど、倫理もへったくれもないという有様です。

そもそも、古代ギリシャには倫理観というものが無く、倫理観はキリスト教によって造られたのではないかと思うのですが、そうすると、古代ギリシャには正邪善悪は無かったのかというと、善悪は無かったとしても正邪はあったと思えます。

となりますと、正邪と善悪はどう違うのかということになりますが、正邪とは正道と邪道、つまり、潔いかずるいかという区別です。一方、善悪とは、善行と悪行という区別ですが、こちらは、個々の主観によるところが大きく、ある者にとっては善行でも、別の者にとっては悪行極まりないということも往々にしてあることで、一概に決められるものではないと最近つくづく思いますので、古代ギリシャにおいて、善悪という観念を持たなかったのは、ある意味で聡明であったと思ったりもします。

つまり、ある者を救うためにある者を殺す、あるいは、ある者を殺すことである者を守るということは、古代ギリシャにおいてはしょっちゅうあったことであり、これをいちいち善悪として判断していたら矛盾だらけになってしまいます。そして、殺し方が正道か邪道かだけを判断するわけです。

あるいは、私が突然行方をくらまし、20年後に突如戻ってきたとしましょう。20年もの間、妻は私の帰りを待っているでしょうか。更に、私が戦争に向けて旅立っていたとしたらどうでしょう。とにかく、20年後に私が突然戻ってきて、妻が新しい家庭を築いていたとしたとき、果たして善悪で物事を判断できるでしょうか。ここでも、やはり、正邪の観念だけが絶対です。私が行方をくらます前から関係を持っていたとすれば邪道、そうでなければ正道ということになりましょうか。

まあ、そんなことを考えさせられるギリシャ神話でした。

ところで、『あなたが知らなかったギリシャ神話』において、一番心に残った一説は、ヘファイストス(ペーパイストス;Vulcan)とアテナ(アテーナー)の比較論です。それぞれの神のことを知れば知るほど含蓄のある一説なのですが、両者を事細かに説明するのは話が長くなりすぎるので端折ります。

一面、ヘーパイストスとさまざまに似たところもあるものの、また別の面からするとこの鍛冶の神の対極にあるのが、パラス・アテーナーです。この女神は、なりゆきによってはゼウスをしのいでもおかしくはないすべてのものを備えていました。ひょっとしたら、アテーナーはとっくにそうしているのかもしれません。とっくにわたしたちの上に君臨しているのかもしれません。ただ、わたしたちがそれに気づかないだけなのかも…アテーナーの成果とは、ずばり、原則だけによってふるまうこと、概念を隠れ蓑にすること、純粋な、見も蓋もない分別だけで武装することです。
ギリシアの多くの地方では、アテーナーはゼウスよりも高く崇拝されていました。アテーナーはオリュンポスの、どうにもとらえどころのない女神です。その出生は、一種の単性生殖を思わせます。
ゼウスは妻に、自分もひとりでなにかを産むことができるところを示そうと思いました。すぐさま、できるわけないでしょ、との反論が、ヘーラーから返ってきたことでしょう。そのころゼウスは、ティータニスのメーティスに恋をしていました。メーティスはゼウスと寝ることを拒んで、雲隠れしてしまいました。ありとあらゆる植物に変身し、ありとあらゆる動物に姿を変え、およそ考えられないような形になりながら、ゼウスから逃れたのです。
それでも、ゼウスはメーティスを追いかけまわしました。そしてかわいいメーティスは、ついにミスを犯してしまいました。メーティスは蠅に変身しました。これなら見つけられっこない、と思ったのです。ところがゼウスは、この蠅をひょいと捕まえて、呑みこんでしまいました。ゼウスの体の中に閉じこめられたメーティスは、血管を伝って上へ上へと這っていきました。そして、なんとも不思議な方法で、メーティスは神の体の中で身ごもったのです―どのようになんて、こんな奇想天外なてんまつは、のっけから描写しようという気も起こりません。
ゼウスはメーティスと情を交わしたいと思ってはいましたが、息子が生れることは望んでいませんでした。メーティスに生れる息子はゼウスをしのぐであろう、と予言されていたからです。ゼウスは、それはなんとしても避けたいと考えました。けれども、いまやメーティスは身重です。そして、ゼウスの頭へと、じわじわと登りつめていきました。ゼウスは苦しみだしました。同時に不安にもなりました。胎児は頭蓋骨を内側から圧迫し、ゼウスの頭はふくれあがりました。そしてついに神々の鍛冶、ヘーパイストスが呼ばれました。
ヘーパイストスは、この問題を職人ならではのやり方で解決しました。斧でゼウスの脳天をぶち割ったのです。ぱっくりと割れた頭から、パラス・アテーナーが、すっかり成長した姿で、完全武装してあらわれました。
アテーナーは、ですからゼウスのお腹、ではなくて頭を痛めた子供です。さしずめ、ヘーパイストスは産婆といったところです。そのためか、ヘーパイストスはアテーナーを、目に入れても痛くないほどかわいがりました。アテーナーにだけは、無礼なところも、粗暴なところも見せませんでした。むしろ、へりくだった態度で接しました。アテーナーは、他の神々と一緒になって、ヘーパイストスを笑いものにしました。けれども、一つのことでは、ヘーパイストスと意見の一致を見ていました。二人は、愚昧な荒くれ者アレースに我慢がならなかったのです。
アテーナーはヘーパイストスとは正反対のことを体現しています。アテーナーはひらめきの女神でした。精神のアテーナーに対して、ヘーパイストスは現実に密着した手仕事を表しています。ヘーパイストスは、火を使って世にも見事なものを作ることができました。けれども、最後のところでひらめき、つまり太陽が、ヘーパイストスにはありませんでした。神話の語るところでは、火はどこまで行っても太陽の模倣でしかありません。また、行為はどこまで行っても思考の後追いでしかありません。アテーナーは、ほかの全ての神々と違って、精神を神格化した女神でした。

ゼウスの妻ヘラ(ヘーラー)の単性生殖で産まれたのがヘーパイストス(Vulcan)であるならば、アテーナーはゼウスが単性生殖で産んだようなものです。ヘーパイストスは妻のアフロディティを寝取ったアレースを憎んでいたと思いますが、アテーナーはアレースの粗暴さを憎んでいたようです。しかし、アテーナーは清浄なのかというのは浅はかです。

アテーナーはちやほやされることが好きでしたが、それは知的なやり方でなくてはなりませんでした。露骨に言い寄ったりすると、失格でした。アレースに対するアテーナーの敵意は、神々の世界にしょっちゅういざこざを引き起こしました。アレースは、血に飢えた乱暴者ではありましたが、全面戦争、つまり殲滅戦の創始者はアテーナーです。アテーナーは戦略家でした。敵を前にしたり、あるいは敵を前にした英雄に加勢しようと思ったときに、アテーナーが提案する方策は、いつも徹底したものでした。つまり、完膚なきまでにやっつける、というものです。最小の被害で最大の効果をあげなければならない、敵を全滅させることでしか、将来にわたって憂いをなくすことはできない、というわけです。
アレースとアテーナーが現代にいたとしたら、わたしは迷うことなく、パラス・アテーナーに恐怖を抱きます。パラス・アテーナーは原子爆弾の女神です。アレースは残酷で残忍ですが、原爆による大領殺戮は、この神のお気には召さないと思います。

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コメント

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